高取城跡

奈良県高取町にある高取城(たかとりじょう)は、日本三大山城のひとつであり、岡山の備中松山城や岐阜の美濃岩村城と並び称されます。標高583.9mある高取山の頂に築かれ、ふもとから天守台までの高低差は約390mと、日本三大山城の中でも特に高く、「日本一の山城」とも呼ばれます。
現在は木々に覆われ、残っているのは一部の石垣だけですが、本丸や二の丸跡に残る立派な石垣から、かつての栄華を感じることができます。1953年に国の史跡に指定され、2006年には『日本100名城』にも認定されました。
国見櫓跡からは奈良盆地を一望することができ、日本一の山城ならではの景色を楽しむことができます。また、四季折々の自然に包まれており、春には桜、初夏はヤマユリや新緑など、訪れるたびに違った表情を見せてくれます。
特に秋は紅葉スポットとしても人気があり、例年11月中旬から色づき始め、赤や黄に染まったモミジやカエデが、石垣や登城道を鮮やかに彩り、訪れる人々を魅了します。


高取城は、元弘2年(1332年)に南朝側についた地元の豪族・越智氏によって築かれた山城です。当時は天守や櫓などもない、掻揚げ城(かきあげじろ)でした。その後、天正8年(1580年)に筒井順慶により郡山城の詰城として再建され、天正13年(1585年)には豊臣秀長の家臣・本多俊政によって近世城郭へ整備・拡張され、山城でありながら平城の建築手法を取り入れた珍しい城が築かれました。
城内には大小の天守に27の櫓、33の門を持ち、白漆喰塗りで仕上げられたその姿は「芙蓉(ふよう)の花」にたとえられ、「巽高取 雪かとみれば 雪でござらぬ 土佐の城」とも謳われました。
寛永14年(1637年)に本多家が絶えてからも、明治4年(1871年)に廃藩置県が布かれるまで、14代にわたり植村家が城主を務めました。
※掲載写真はイメージです。
基本情報
- 住所
- 奈良県高市郡高取町高取
- アクセス
- ・ホテルからお車で約25分
・近鉄壷阪山駅からお車で約15分